数日前、「変わらぬものは?」というタイトルを書きましたが
今日は、9,738日のお話。
実はこの日数、東浦奈良男さんという86歳のおじいちゃんが
登山を続けられた日数なのです。
登山家の中では有名な方で
肩書きは「毎日登山家」とされていました。
その東浦さんが12月6日永眠されたそうです。
登山を始められたのは60歳。
比叡山延暦寺に伝わる「千日回峰行」を知ったことがはじまりだったそうです。
千日回峰行とは、7年かけて通算1000日歩くというものなのですが
断食・断水・断眠・断臥の荒行中の荒行と言われる苦行です。
おじいさまは、毎日歩くのだと勘違いして始められたそうで
雨の日も、台風の日も、年末も元旦も、
風邪をひいた日も、交通事故に遭った日も登り続けて。
1000日はとっくに過ぎ去り、9000日も達成し、
1万日を目指していらっしゃった東浦さん。
2012年3月12日がその日でした。ホントに目前。。。。
6月6日にある方が登山中の東浦さんをお見かけになったときには
山頂で寝そべっていらっしゃったとか。
かつて雑誌に登山中は一度も腰を下ろさないと紹介されていた東浦さん
近づくと、むっくり起き上がって満面の笑みで迎えてくださったとか。
でも実は、その6日後、6月12日 9,738日目の登山をもって
連続登山は途絶えたそうです。
きっと、寝そべらずにはいられない状況だったのでしょうか。
それとも、
天を仰ぎながら、人生を振り返る時間だったのでしょうか。
この上ない充実感だったのかもしれません。
9,738日の間に、おじいさまは数え切れない人たちに
数え切れないほどの感動と勇気を授けていかれましたね。
そして、私たちに叡智を受け取る扉を授けて行かれたと思うのです。
一事を必ず成さんと思はば、
他の事の破るるをも痛むべからず、
人の嘲りをも恥づべからず。
万事に換えずしては、
一の大事成るべからず。
東浦さんのお好きな言葉だったそうです。
これからも、ずっと多くの人に感動を授けていくことでしょう。
「一事を必ず成さんと思うこと」その思いの大切さを
改めて噛みしめております。
私が授かった感動のお礼になるよう
その叡智を観じ、社会に向けて時間を綴っていきたいと思います。
お疲れ様でした。
安らかにお休みください。 ありがとうございました。